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ラブホの一室
藤川大樹も松野貴理子も生まれたままの姿で白いベットの上に居た。
ベットの上で大樹は天井を見ながら
『貴理、別れよう。』
ベットの上で藤川大樹に寄り添っている松野貴理子は、大樹の言葉に驚きながら
『えっ?ど、どうして?』
大樹はベットから起き上がり椅子に座り、テーブルの上に置いてあった自分のタバコに火を点けて
『今の俺と一緒にいるとロクな事ないぞ。だから別れよう。』
松野はベットから起き上がり、タバコを吸っている大樹の側まで行き
『なぜ別れるの?私は嫌よ。』
大樹は吸っていたタバコを灰皿で消し
『もう終わりにしよう。』
松野は大樹に
『尼子って人がしつこく大樹さんに借金の取り立てに来るから………?』
大樹さんはこれ以上何も言わず黙ってました。この時、私は尼子に対して自分自身の中に殺意と言う言葉が生まれました。私は大樹さんを失いたくない為に………
………………
現代、鶴田病院の病室
敬子は松野の背中を見ながら
『ただそれ………翔君にしろ尼子の事にしろ、それは自分自身の身勝手な行為ですよ………』
松野は敬子の言葉に何も答えず、窓の外を見ながら
『尼子が毎晩勝浦市鵜原の居酒屋で飲んでると知り、晴美さん所有の車に乗って待っていました。一応、念のためにウィスキーを一本用意してありました。』
敬子は松野の背中を見ながら
『起き上がりそうな時に無理矢理飲ませる為にですね。』
松野は背中越しの敬子の言葉に頷き
『はい、ただ起き上がらなかったのですがウィスキーを一本飲ませました。』
敬子は松野に
『なぜ館山市のあの場所を選んだんですか?』
松野は窓の外を見ながら
『まだ場所を決めてなかったので探してたらあの場所になったんです。』
敬子は松野の背中を見ながら
『なぜあの日私達を狙ったんですか?』
松野は敬子の方を向き
『あの日の夜、結城さん達は二人であの現場にいましたよね?私は色々不安があり、あの日の夜にあの現場に行ったらお二人が居て………今回の事件を調べてると知ったので後ろからついて行き事故らせようと思い煽りました………』
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