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華蓮の通ってる太海浜保育園
敬子と結城は保育園の正門から中に入ると松野が二人の前にやってきて
『華蓮ちゃんのお母さんとお父さん、こんな時間にどうしたんですか?』
敬子は華蓮のクラスの先生の松野に
『実は翔君の事が気になりまして。』
松野は敬子の言葉に
『いつもはもうとっくに迎えに来てるんですが、今日はまだ………』
敬子は松野の言葉に華蓮のクラスに行くと翔が隅っこで一人でうつむいていた。松野は敬子に
『って、華蓮ちゃんのお母さん、翔君をどうするんですか?』
敬子は翔の側に行き笑顔で
『翔君、お腹減ったでしょ?おばちゃんの家においでよ。おばちゃんの料理美味しいんだから。』
うつむいて敬子と目を合わせなかった翔は敬子の言葉に驚き、松野は敬子の言葉に慌てて
『それはマズいですって。翔君のご両親に許可も取ってないのに勝手にそれは………』
敬子は松野の言葉が聞こえなかったのか、聞こえないふりをしたのか、翔の手を握ってにっこり笑って
『何も心配する事ないよ。だからおいで。』
松野は敬子の言葉に
『だからそれは許可を………』
敬子は松野に
『責任は私が持ちます。私は見て見ぬふりなんか出来ません。翔君のご両親が来たら保育園の先にある便利屋純一郎か居酒屋大将に居ると伝えて下さい。大人が子供を守る、それが当たり前なんじゃないですか?翔君、行くよ。』
松野は敬子の言葉に何も言えなくなり、敬子は翔の腕を掴み半ば強引に帰宅準備をさせた。敬子は松野に対しにっこり笑ってお辞儀をして
『それでは連れて行きますね。』
結城と敬子は翔を便利屋純一郎に連れて帰った。
敬子と結城は翔を自宅に招くと翔は急な出来事に緊張してるのか玄関先を見渡し、敬子は笑顔で翔の背中をポンポンと二回叩き
『翔君、私達の家に上がって上がって。』
翔は靴を脱ぎお邪魔すると奥から華蓮がやってきて満面の笑みで翔に
『翔くん、いらっしゃ~い。こっちだよ~。』
華蓮は翔の手を掴むと、翔は慌てた表情になり華蓮はそのまま台所に連れていった。
翔が華蓮と台所に入ると、中瀬が夕飯の支度を終わらせ、テーブルには翔を含めて5人分のご飯と味噌汁とおかずが並んでいた。
中瀬は笑顔で翔に
『翔君はここに座って座って。』
翔は言われるがまま椅子に座り、何が何だかわからず目の前の光景に驚いていた。
敬子達も椅子に座り、敬子は翔に
『それじゃ食べようよ。翔君、遠慮しないでたくさん食べてね。』
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