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4.
***
「なるほど。とにかく他のプレイヤーから鍵を集めればいいんだな。正解の鍵を探すために」
一通りの説明を聞き終え、ワタルは確認のために復唱した。ダイが重々しく頷く。
「そうだ。一本でも正解の鍵を見つけられれば、それで二人ともクリアできる。他のプレイヤーがどうしているかは知らないけど、絶対に協力した方が成功率が上がるルールだよ」
「だったら、ダイには僕が一緒に参加してやったことを感謝してもらわないとな。現金でいいよ」
ワタルがニヤリと口角を吊り上げると、ダイはげぇーと顔を顰めた。
「賞金がもらえたら考えるよ」
「聞いたぞ。それじゃ、早速獲物を捜しに行くとしますか」
友人と合流できたことでワタルはすっかり気が大きくなったようだ。ダイの「おう」という返事を受けて率先して歩き出す。
「……おい、どこに行くつもりなんだ?」
「え? あー、あては無いけど、とりあえずダイが来たのと反対の方向に行ってみようかなって――」
その瞬間、頭上を覆う枝葉の影が途切れたのは、幸か不幸か。
前に落ちた影に腕が伸びた――刹那、ワタルは斜め前方に飛び込んだ。
ガッという硬い音に重なる素早く鋭い音。避けきれなかった脹脛に激痛が走る。頭上の影が大きくなり、ワタルは巨体に圧し潰された。
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