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***  表にはバスが横付けされていた。建物からバスまでの間には黒服の男たちが壁を作っている。その物々しい風貌は、参加者たちにもはや逃げ道など無いことを印象付けた。  全員が揃ったことを確認し、例の女が再び口を開く。 「皆さん、互いの配給品は見せないように。見せてもいいですが、自分が不利になるだけですので、こちらとしてはお勧めしません」  それを聞いた女子大生が慌ててライターをポケットにしまった。他にも何人か手にしたものを急いで隠そうとする。  自分の武器が決まった今、参加者たちの顔を見るだけで、誰が何を受け取ったのかおおよその見当がついてしまう。比較的落ち着いている者たちは殺傷力の高い武器だったに違いない。会議室にいた時とは打って変わって蒼褪めているあの男は、ペティナイフだろうか。必死の形相で考え込んでいる青年はリモコン爆弾かもしれない。  見てわかるくらい着膨れた女が一人いる。彼女は防刃ベストか防弾ベストのどちらかを獲得したらしい。防炎コートは着ていれば見てわかるはずだから、それを引き当てた者はいなかったのか。参加者十二人に対してサポートアイテムは十七個だったので、誰の手にも渡らなかった物も五つあることになる。 「皆さんにはサポートアイテムと一緒に、追加で二つの物をお配りしました。一つはトランシーバー。これは全員共通です。チャンネルは一から■■までありますが、チャンネル一は■■からの連絡用となりますので覚えておいてください。その他のチャンネルは自由にお使いいただいて構いません」  参加者たちの何人かが顔を見合わせる。ワタルとダイも短く頷きあった。 「それから、皆さんにお配りした『■の欠片』――こちらがこのゲームで最も重要な物品です。事前にご説明した通り、ゲームクリアの条件は『完成させた■で■■■■■■■■こと』。■は一人につき■■必要であり、■■はできません。また、■の種類は全部で■種類です。ゲームをクリアするためには、自分の持つ■と同じ種類の欠片を持つプレイヤーを見つけなければなりませんが、互いの■を見せ合うことは禁止します」  それぞれが握り締める、二つに割れた■の欠片。足りないもう片方を手に入れる方法は明示されていない。だが、想定されている方法は明らかだ。  相手を■して、奪うこと。
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