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マイクロバスの中で、ワタルとダイは隣の席に座った。それ以外の参加者はできるだけ他の人から距離を取るようにして座っている。
「思ったよりヤベーバイトだったな」
ダイが呟く。車内では場違いなクラブミュージックが爆音で流れており、相手に耳を近づけないと声が聞き取れないほどだった。
「ホントだよ。前払い金がある時点で危ないって気付くべきだったわ。死んだらどうしてくれるんだ?」
ぶつくさと不満そうなワタルだが、その目は秘めた興奮で暗く輝いている。
「そう言うなって。ゲームさえクリアすれば賞金までもらえるんだぜ? いつもみたいに二人で協力すりゃあ、クリアするぐらい楽勝さ」
「協力ねぇ……まあ、そうだな。鍵の見せ合いは禁止されてるけど、協力するなとは言われてないもんな」
「そうそう。トランシーバーが配られてるのもそういうことだろ? 二人で連絡を取るためのチャンネル、決めとこうぜ」
「オッケー。じゃあ、9にしよう。ダイの誕生月だから――」
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