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ボクのおねえちゃんは、“はやしりおん”で“りお”で、“ちゅうがくせい”なんだって。いろんなお名前があるけど、ボクには、とっても大切でとっても大好きなおねえちゃんなんだ。
ちなみに、ボクは“はやしらんまる”で、“ラン”で、“ザッシュケン”で“2さい”……。おねえちゃんは、その時その時でボクの事をいろんなお名前でよぶんだ。
朝、玄関に座って靴のひもをギュッと結ぶおねえちゃん。その顔はちょっと苦しそうで、何だか怒っているみたいで、ちょっとだけ怖いんだ。だけど、立ち上がってボクの方に振り向いたおねえちゃんは、もう笑ってた。
「じゃあね、ラン、行ってくるね」
そう言ってボクの頭をグリグリグリグリ。おねえちゃんの手はボクの頭の上だけど、おねえちゃんの心はもう先にどこか違うところに行っちゃってるみたい。
「よし! 行ってくるね!」
もう一回そう言ってから、ボクに手を振り行ってしまうおねえちゃん。
「ワン、ワン、ワン!」
ボクはいつも連れて行ってもらえないから、こうしてここでお見送り。おねえちゃん、「がんばって、がんばって、いってらっしゃい」ってちゃんと聞こえたかなぁ?
おねえちゃんが毎日のように行く“がっこう”って、どんなところだろう? 何か大変なところなのかなぁ。
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