ボクのおねえちゃん

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「わぁ! オオカミだー!」 「バカ、違うよ! あれは犬だよ。警察犬だよ!」 「すごーい、かっこいい!」  前からやってきた小さい男の子三人組が、ボクを見てすごくよろこんでいる。それに、“かっこいい”だって! 「ありがとう。この子ね、警察犬じゃないの」  おねえちゃんはボクのリードを短く持って、しゃがみながらボクの事を説明してくれた。男の子たちは、自分たちの見立てがはずれて少し残念そうだった。だけど、ますますキョウミシンシンって感じになった。 「違うのかぁ。でもかっこいい! じゃあ何犬なの?」 「この子はね、雑種犬なの。保護犬だからお父さんもお母さんも何犬か分からないの」  ボクね、お散歩に行くと「何犬ですか?」って聞かれる事が多いんだ。そのたびに、おねえちゃんは“ザッシュケン”で“ホゴケン”ですって説明してくれる。
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