ボクのおねえちゃん

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「ねえねえ、この子、何か芸が出来る?」 「うん! いっぱい出来るよ!」  おねえちゃんが、サッとグーの手を上げた。「お座り」の合図だ! 「すごぉい! 無言なのにちゃんと言うこと聞いたー!」  素早く“お座り”したボクに、男の子たちは大喜びだ。次に右の手のひらを出すおねえちゃん。「お手、おかわり」だ! 「えええ、何でー? 何も言ってないのに分かるのー?」 「すげー、超能力みたい!」  最後に、おねえちゃんはパーの手を胸の辺りで準備した。よし来た、まかせて!  ボクは後ろの足で立ち上がり、うーんと伸びておねえちゃんの手のひらに前足でハイタッチした。 「すごい、すごーい」  みんなの拍手がパチパチパチパチ、いっぱいはじけて気持ちいい! 「すごいねぇ、保護犬ってかしこいんだね!」 「すごいすごい! かっこいい!」  ほらね、また“かっこいい”って言われたよ。“へんしん”もうすぐ出来るかな?
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