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ボクがおねえちゃんと出会ったのは、“ホゴケンカフェ”ってところ。まだちっちゃかったボクは、そこでほかの“ホゴケン”と暮らしていた。
ゴハンも出てくるし、なかまもたくさんいるし、そこはなかなかカイテキなところだったよ。“ホゴケンカフェ”の前は、ボクは大きな公園の中で、そこら辺にあるものを何でも食べて生きていた。食べられそうなものも、そうでないものも、何でも食べないと生きていられなかったんだ。
おいしいご飯となかまたち、カフェにいるボクは幸せだと思っていたけど、ボクはほんとうの幸せってモノを知らなかったんだ。
「お母さん! わたし、この子が良い! 絶対にこの子にする!」
カフェにやってきた女の子は、まっ先にボクを抱きしめると、もう離さなかった。お父さんや、お母さんが別のもっと小さい子をすすめても、絶対に「うん」とは言わなかったんだ。
後でカフェの人が言っていた。ボクは子犬にしては大きすぎてなかなか貰い手がなかったんだって。だからおねえちゃんが助けてくれて良かった、って。
ありがとう、おねえちゃん。おねえちゃんがいて、お父さんお母さんがいて、このおうちに来て、ボクすごーくすごーく幸せだよ。だからね、ボクはおねえちゃんのためなら何でもするんだよ!
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