ボクのおねえちゃん

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 それは、その日のおさんぽの帰り道だった。  今度は前から女の子が一人やってきた。おねえちゃんより少し大きいその女の子は、ちょっとイジワルな顔をして笑っていて、おねえちゃんの足がピタッと止まった。  不思議に思っておねえちゃんの顔を見上げたら、あの学校に行く前のお顔と同じような、苦しいような怒ったような、怖い顔をしていたんだ。  クルっと向きを変えて、今来た方向へ走り出すおねえちゃん。リードがグイッと引っ張られ、ボクもあわてて走り出した。 「林さーん、何で逃げるのー? ねえ、待ちなさいよー!」  その女の子は大声で叫びながら追いかけてきた。おねえちゃんもボクも一生懸命走ったけど、その子はずっとついてくる。  にげろ、にげろ、はしれ、はしれ!  必死で逃げていたから、その瞬間の事はあんまり覚えていないんだ。
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