追悼哀歌

3/10

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 「ねえ」  いま、どこにあるの。  「あ、」  空が晴れる。さっきまで、雨が降っていたのに。  虹がかかる。私の足元から。  星が落ちる。快晴の空から、私に向かって真っすぐに。  「あ、ああ、」  星が、墜ちる。  「うあ、ぁぁ、あ、あ、ぅ、」  星が、墜ちる。  彼女の胸元で、確かな輝きを放っていた、宝石が。  「ぁぁぁぁあああ、ああああ」  ひび割れた、それが、墜ちて。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加