追悼哀歌

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 ──あははははははは。  静かな橋の上。傘を放り投げて、一人の「少女」が、あいを叫んだ。  愛していた。愛していた。愛していた。たとえそれが歪んでいたとしても。  恋していた。恋していた。恋しかった。たとえ住む世界が違ったとしても。  彼女が、彼女が、彼女が、愛しかった。好きだった。大好きだった。  ──あはは、ははははは、は。  壊れていた。壊れていた。壊れていた。私も彼女も。  壊れていたのだ、何もかも、最初から。  壊れて、歪んで、寄り添い合って、でも世界というのは残酷にできていて。  ──ゆるさない。  「魔法少女」は、「   」を救うために、ひとり空へと飛び立った。  哀歌を口ずさみながら。世界を心から恨みながら。
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