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椿はキリっと彼らを睨め付けて威嚇をした。上手くすり抜けて向こう側の大通りに出られれば……。
「おーこわ、そんなガンとばさないでよ。暇なら一緒に遊びに行かない?」
何も返事をせずに男達の間をすり抜け、大通りへと向かい早足で歩いているとその中の一人に腕を掴まれた。
「おい、シカトすんなよ。」
その手をバっと振り払い走り出すが、大通りへの道を連中の一人に塞がれてしまった。とっさに左へと曲がり、見知らぬ道を全速力で走り抜ける。背中で男達の声と足音を聞きながら椿はただ無我夢中で走り続けた。
・・・誰か、助けて……。
・・・誰か……。
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