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佐古
「はぁ……。」
大きく溜め息をつき、時計を見て「え、もうこんな時間?」と呟いた。ぐーっと背中を反りながら伸びをして赤ペンに蓋をし、ぽいっとペンをテーブルの上に放り緑茶のペットボトルを掴む。
佐古
「まだ半分以上残ってるよ……こんな作業二時間もあればチャチャっと終わらせられたのになぁ……やっぱり歳は取りたくねぇな。」
嘆いたところで赤ペンが勝手に作業を進めてくれるはずもなく、ペットボトルに蓋をして再びペンを手にした。
ブブブ……テーブルの上に置いてあるスマートフォンが珍しく振動している。首を傾げて発信元を確認した佐古が、急いでその電話に応答した。
佐古
「……はい、もしもし。」
椿
「………けて………」
…………何だ?何か雑音がすげぇな。
佐古
「……及川?」
椿
「…………助けて。」
佐古
「………!!」
その声を聞いたと同時に佐古はガタっと立ち上がり、鍵を手にして玄関のドアを開けた。
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