寝覚の悪い僕と機嫌の悪い猫

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自宅の玄関前に立つ まるで他人の家に訪問してる様だ 鍵は…かかっている ドアを開け 目に入った傘を手に取る …なんて頼りないのだろうか いつもなら 村山がお出迎えしてくるのに 今日は居なかった 本当にここは自宅なのか? なんて居心地の悪い 村山ー? 村山ー? 呼びかけても反応はない ……… ここで恐怖心が出てきた …いけないいけない なにを弱気になっているんだ僕は 意を決してリビングに足を踏み入れた 特に荒らされた様子はないし 人のいた形跡もない… 散乱した寝巻きの服 散らばった雑誌 飲みかけの缶ビール 綺麗に干されたワイシャツ いつもの僕の部屋だ …こうやって見ると酷いな… 恐る恐るベットの下を確認 そこには隅っこで縮こまる村山がいた 村山!? おいで?村山 警戒と言うよりも怯えた顔だ 優しく抱きかかえ 深く抱きしめて 良かった 良かったと 村山の体毛に顔を埋めた そんな僕の心配をよそに 村山は 餌は?と言った表情だった 身の危険を感じたので 警察に来てもらう事にした
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