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何者かが自宅に侵入し自宅の固定電話から
あなたのスマホに電話した…
ん〜…確かに
着信履歴もある
んでその時間帯あなたは
外に居たのもタクシーの明細表にて確認は
取れますね…
ストーカされる事に
なにか身に覚えは?
いえ。ありません
彼女なんていた事ありませんし
とキッパリ言った
彼女はいた事なし…っと。と
メモを取るお巡りさん
少し複雑な心境だ
話の内容からも一方的なあなたへの好意だと
思いますが。
ピッキングされた形跡はありませんでした
窓にも特に不審な点は無かったです
考えられるのは…まぁ合鍵ですかね?
誰かを家に招きいれた事は?
いえ。ありません
落とした事は?
いえ。ありません
ん〜後は…そうですねぇ。
ゴミ捨てに行ってる間に侵入され
鍵の形を取る手口は実は多いんですよ
確かにゴミ捨ての短い時間で施錠は
してませんでした
……けど
けど?なにか心当たりでも?
いや…このお巡りさんの言ってる事は
当たり前で最も可能性がある事じゃないか
こんな話…信じてもらえるはずがない
あ、あの…
幽霊って…信じますか?
…幽霊…ですか?
…はい
お巡りさんも悟ったのだろう
一瞬 僕に見せた表情が
あぁ…そのパターンか
と言う様な呆れ顔だったのだから
…ん〜…まぁ確かに現状はそう
考えたくなりますけどね〜
無くはないかなぁ。ははは
はぁ…そうだよな
やっぱそうなるよな
公衆電話からの着信の事を話した
あの電話の主が僕に憑いて来てて
自宅の電話から僕にかけてきたのだと
自分で言ってても可笑しい
そもそも幽霊である前提で決めつけてるなんて
どうかしている
しかしお巡りさんの顔がつきが変わった
公衆…電話?
はい。
…何処の公衆電話ですか?
あそこのコンビニの近くにある公園の裏手の
方ですけど?
お巡りさんの顔は青ざめていた。
さらに続けて話をしだした
…今どこにいますか…と
言ってらしたんですね?
はい…
お巡りさんはさっきまでとは違う
顔つきで僕に語りかける
…今から私が話す事は
警察官としてではなく
話を聞いてもらいたい
半年前
あの公衆電話で1人の女性が亡くなっています
ご存知ですか?
ええもちろん
近所でしたし
ニュースにもなってましたよね
その女性はストーカに悩まされていた
その時対応していたのは私です
彼女の通勤路には
私が在中してる交番もあってね
よく見かけていたよ
そんな彼女に忍び寄る不審人物
ストーカされてると相談された時に
見せてもらった写真の男
私は直ぐに職質をし
彼を交番に誘導した
スマホには彼女の写真だらけだった
危険物は持っていなかったので
逮捕には至らなかったが
事情聴取をしこれ以上付き纏いの行為が
あればより強い処置を行う事
もう彼女には近づかない事を約束させた
その甲斐もあってか
彼女がストーカされる事は無くなり
彼女自身も笑顔が戻って
生き生きとしていたよ
しかしこれで終わりでは無かった
私は甘かった…
彼の憎悪は消えてなかったんだ
そして事件当日
彼女はいつも通り帰宅していた
コンビニで買い物を済ませ
公園裏手の道を歩いていた
いつもの通い慣れた道だった
その日はいつもと違ったのは
帰りには顔合わせする私が少し間を外し
交番に不在だった事と
復讐に取り憑かれた男がいた事
待ち伏せされ必死に逃げたのだろう
背後を何箇所も刺されていたよ
血に染まりながら公衆電話に逃げ込み
110のボタンを押し
座り込み男の侵入を防いでいた
…知っているかい?
公衆電話からの通報は
この地域の管轄区域にある交番に通報が
行くんだ。
交番在中の私は彼女からの通報を取った
開けろ!開けろ!大声で怒鳴る男の声と叩く音
彼女は私の声に気づいたのだろう
今にも消え入りそうな声で
今…どこ…にいますか?助け…て
今…どこにい…ますか?助…けて…
死にたくない…まだ餌を…あげて…ないの
と必死に助けを求めていた
駆けつけた時にはもう意識を失っていて
その後搬送された病院で死亡が確認された
飼ってるペットにあげるはずだったのか
赤く染まったレジ袋の中には餌が入っていたよ
彼女の日常は憎しみの闇に引きずり込まれた
犯人も数時間後に逮捕し
取り調べに対して
他の男と付き合っていたから腹が立った…
なんとも自己中な事を言っていた
しかし彼女には恋人は居なかったんだ。
勘違いで殺されるなんてたまったもんじゃない
私は酷く後悔した。
もっと厳しい処置を行なっていれば…
事件からしばらくして
あの公衆電話から交番に奇妙な
通報が入る様になったんだ
公衆電話からのいたずら電話は実は多くてね。
駆けつける警察を見て遠くで確認しては
楽しんでるのさ。
けど私にはいたずら電話でないと
分かっているんだよ…
彼女の声なんだ
今…どこですか………助けて
今…どこですか…………助け…て
と未だに助けを求めているんだ
居ないと分かってるけど
行かなきゃならないんだ
職務上だから当然だろうな
けど私はね…情が優っている
これからもずっと
成仏してくれるまで
私は彼女を助けに行くよ
そう話し終えたお巡りさんの目は
涙をにじませていた
私には分からないが
君が電話に出た事で
着いてきたのかもしれないな。
君に助けを求めて
話を聞いて僕はいたたまれない気持ちと
ある不安がよぎった
あ…あの…お巡りさん
調べて欲しい事があるんです
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