32人が本棚に入れています
本棚に追加
/241ページ
はじめに 貼雑帳とは一体何ぞや?(敬称略)
イギリスの怪奇作家の巨匠であるM・R・ジェイムズに、「アルべリックの貼雑帳」と作品があります。
私も大好きな話です。
古書好きな男が訪れたとある辺鄙な山村。
男はその村で一冊の稀覯本と巡り合う。
破格の値段で男へと売られたその本には、思いも寄らない秘密が潜んでいた。
本を手に入れたその日の夜、男は身も毛もよだつ恐怖に襲われて・・・・・・
という筋の古色蒼然としたゴシックホラーです。
ちなみに、私はBLと同じくらい古今東西の怪談が大好きです(自分では全然書けませんが)
つい話が逸れました。
原題が「Canon Alberic's Scrap-book」なので、貼雑帳=スクラップブックなのでしょう。
手持ちの国語辞書によると、「『スクラップブック』とは〔新聞・雑誌の〕切りぬきを貼り込む帳面。切りぬき帳」と記されています。
なるほど言い得て妙な、――まさに妙訳です。
さらに文明の利器(グーグル)で調べてみると、かの江戸川乱歩も「貼雑年譜」なる著作を記しているとのこと。
寡聞にして未読なもので、内容までは知らないのですが。
最初のコメントを投稿しよう!