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「どうしましょう、団長。あとはこのナマケモノだけなのですが…」
団員の一人が困り果て、近くにいた団長にそう報告をしました。
団長は前に進み出ると、しばらく眺めてから眠るはるなさんに囁くように言います。
「おい、起きろ…。起きねば、口付けてしまうぞ…?」
そのまま団長にそっと頬を撫でられたはるなさんは、さすがに驚いて飛び起きました。
(えっ、もう秋!?…まだ暑いわ…。誰?私を起こしたのは…)
はるなさんがまだぼんやりする頭で顔を上げてみれば、そこには保護団の団長の姿が……
(きゃ〜!すっごくイケメン…!!)
そばに立っていたのははるなさんの好みの、とても素敵な男の人。
…だけではありません。
周りを見てみれば、団員さんたちみんなが様々なタイプの素敵な男性ばかり。
(なにこれ、イケメンばかり…!逆ハーレムみたい!!)
はるなさんは驚きのあまり、思わず震えてしまいました。
「団長、ナマケモノが怯えているのか震えているようです。どうしましょう?」
優し気な一人の団員が、うろたえるはるなさんの様子を見てそう言うと、団長は済まなそうに、
「…怯えさせたのは私か…。なんとか私が連れて行こう。」
そう毅然とした態度で言いました。
あまりのことに驚いたまま団長を見つめるはるなさん。
団長は毅然とした立ち居振る舞いとは反対にはるなさんを優しく抱きしめ、そのまま保護施設に向かったのでした。
(ドキドキしてしまって、もうこの状況で眠るなんてできない…!!)
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