逃げた小鳥が降り立つ処  著 あいざわすず様

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逃げた小鳥が降り立つ処  著 あいざわすず様

 ある日、ナマケモノのはるなさんのいる森に人間が入ってきました。 背の高い、スラリとした体型の優しそうな男性です。 どうやら何かを探しているらしく、あちこちの木の枝を見ています。 (何か探しているのかしら?) はるなさんも気になり、男性の見ているような木の枝をあちこち見てみました。 すると最近森にやってきた色鮮やかなインコの男の子が、男性の近くの枝にいるのに気付きます。 するとインコの子は男性に気付き、ビクリと体を震わせて気まずそうに目をそらせ、今にも飛び立とうと翼を広げました。 (あら、もしかして…!) はるなさんはドキドキしながら成り行きを見守ります。 「…やっと、見つけた…」 男性がインコを見つけ、安堵の表情で言います。 しかしインコの男の子は目をそらしたまま。 『…なんだよ…帰れよ…』 男性にそう言い返したインコは、さらに強く言います。 『どうせあんた、あんな白いメスのヤツがいいんだろ!?せっかく俺が家を出てやったんだから、勝手に楽しくやってろよ!』
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