残暑にナマケモノが見る夢は

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残暑にナマケモノが見る夢は

 月が秋へと替わったというのに、『本の森』ではまだまだ暑い日が続いています。  夏の間は、なるべく涼しい木を選んで枝の上で寝っ転がっていることが多かったナマケモノの女のコ『はるなさん』でしたが、今日は違いました。  ソワソワキョロキョロと、何だか落ち着かない様子です。  はるなさんが枝の上をウロウロとしていると、配達屋さんのウサギの男のコがやって来ました。 「こんにちは。はるなさん!今日も暑いですね!お届け物です」  ウサギさんはすっかりと元気になって、明るくあいさつをしてきます(『お届けするのは大切なお荷物、そして想い――。』参照) そして、はるなさんへと大きめな封筒を手渡しました。  はるなさんはとてもうれしそうに、さらに、とても大事そうに封筒を受け取ります。 「ありがとうございます!ウサギさん。暑いので、配達を気を付けて行ってくださいね!」  はるなさんがお礼を言うと、ウサギさんは元気いっぱい次の配達先へと向かって行きました。
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