生意気モフモフは堅牢堅固な『鎧』に囚われる

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 最後まで読んだはるなさんは本を閉じました。  そして本を抱きしめ、思わず叫んでしまいました。 「キャーキャーキャー‼すっごいステキー‼」  木の枝の上をゴロゴロゴロゴロと転がり回って、つい、落ちそうになってしまうほどでした。  はるなさんはやっと落ち着いて、本の表紙をまじまじと見つめます。 「売れ切れ続出で入手困難なのも、本当によく分かるわ!だって、こんなにドキドキするお話なんですもの‼」  そこでふと、この本の噂を思い出しました。  実は、「このお話にはモデルがいる」というものです。 ――しかも、二人とも『本の森』の住人だというのです!  「まさかね・・・・・・」  はるなさんは口ではそうつぶやきながらも、頭では考えます。  「実際の大アルマジロ先生はとても優しくて、生徒の親身になってくれる素晴らしい先生だわ!小リス君だってちょっとやんちゃだけど、生意気なんかじゃないもの‼でも、でも、もしかしたらもしかすると・・・・・・」  悶々と考え続けるはるなさんの周りには、ニョキニョキと『妄想竹』が生い茂っていきます。  はるなさんの暑い熱い夏は、まだもう少しだけ続きそうです・・・・・・              おしまい
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