君の頑張りは、僕の特効薬。 著 あいざわすず様

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 ある日。  はるなさんが薬をもらおうと向かうと、店では頭痛を起こして泣いているヒヨコちゃんがお母さんに連れられて来ていました。  ところがお師匠さまは留守で、居たのはアヒルの男のコだけ。 「いたいよう!」  泣いているヒヨコちゃんを前に、男のコは途方に暮れています。 「僕は薬を作ることはできますが、薬の種類や量をお客さまのいるその場で決めたことが今まで無いんです……」  しかしお師匠さまは出掛けていて、まだ帰ってきていません。 (ヒヨコちゃんは泣いているけれど、お医者さまは遠いし……)  ヒヨコちゃんのお母さんもはるなさんも困っていると、男のコは考えた後に大きく頷きました。 「基礎知識はありますから、お師匠さまの今までの教えに沿って僕が薬の量や種類を決めます!はるなさん、すみませんがヒヨコちゃんを先に……少し待っていてもらえますか?」  男のコはお母さんとヒヨコちゃんからどんな症状なのかをしっかりと聞き、今まで取ったメモを見ながら一生懸命薬を決め始めました。  そして、 「ヒヨコちゃん、このお薬をこの白湯で飲んで。ゆっくりね」  お母さんと男のコはベッドに寝かせてもらったヒヨコちゃんが薬を飲むのをそばで見守ります。 「おにいちゃん、にがいよう……」 「少しガマンをしてね?そうしたら頭が痛いのはもうすぐ落ち着くよ」  男のコはヒヨコちゃんを落ち着かせてあげるようにか、穏やかにそう言いました。
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