君の頑張りは、僕の特効薬。 著 あいざわすず様

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 はるなさんはいつももらっている薬をもらい、寝ているヒヨコちゃんを見舞いました。  しばらくして、ヒヨコちゃんの頭の痛みが治まってきたようです。  少し元気になったヒヨコちゃんとお母さんは、心から彼にお礼を言いました。  すると男のコはホッと安心したように言います。 「僕でお役に立てて良かった!念のため、明日お師匠さまがいるときにまた来て頂いてもいいですか?何かあれば今日でもすぐに行きますから呼んで下さい」 〜〜〜  男のコは帰ってきたお師匠さまに今日あったことを報告しました。  すると、 「……薬も量も合っているよ。対応もしっかりできたようだ。アヒルくん、今日は頑張ったね」  お師匠さまはそう褒めてくれました。  しかし男のコは落ち込みうつむいて言います。 「でもお師匠さま、僕は本当はとても怖かった。やっぱりお師匠さまがいないと僕は……」  するとお師匠さまは優しく言いました。 「アヒルくんはまだ経験が少ないだけだ。経験を積めばきっと立派になれる、独り立ちも出来るだろう。しかし私が必要だと言ってくれるなら、ずっとそばにいてほしい。君ならば、私の心強い味方でいてくれるはずだから」 「ありがとうございます、お師匠さま!!」  男のコが喜んでそう答えると、お師匠さまは笑って男のコの手を優しく包んで握り、ふたりは笑い合いました。 〜〜〜  それからも親切なフクロウのお師匠さまと弟子のアヒルの男のコの店は『本の森』の動物たちの助けになり、今日も忙しく過ぎていくのでした。               おしまい
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