僕は、君の居場所(シェルター) 著 あいざわすず様

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僕は、君の居場所(シェルター) 著 あいざわすず様

 ある日。 ナマケモノのはるなさんのお気に入りの木の近くの地面に、とても大きな穴が開いていました。 (あら?こんな穴、私が昨晩寝るまではなかったのに……)  はるなさんはこの穴に見覚えはありません。  しかし落ちたりしては危ないので、近くの木に移動して過ごしました。 (誰かがこの近くを通ったら、しっかり教えてあげなくちゃ)  すると夜、ゆっくりとお酒を飲んで過ごしていたはるなさんの耳に、誰かの声が聞こえてきました。 「またですか。どうして彼はもう少し周りに気を回さないのか、やれやれ」  この声は、知らずに出来ていた穴の近くから。  はるなさんはこの誰かが落ちては大変と、急いで木を降りて向かいました。  見ると、出来ていた穴のそばにいたのはオオヤマネコのお兄さん。 「ああ、このご近所の方ですね。この穴、きっと勝手に作られていたんでしょう。落ちたりしませんでしたか?私の友人が、本当に申し訳ありません」
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