初の試み

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初の試み

西さんの作品を読み、もう一人の赤い人の話がぶわーっと形になったがまだ甘いので、1回推敲してみる 仮タイトル クロスハート゛〜クロスハートダブルダッシュ〜  フッフッと荒い吐息に合わせるようにパイプベッドがギシギシ音を立て、床には俺から流れ落ちた汗がポタポタと溜まりを作っている、床に手を付いてベッドにつま先を乗せる腕立て伏せは体幹を鍛えるのに丁度いい、日課のトレーニングを終えると熱いシャワーを頭から浴びる。  俺の名はエリック、とある組織の実行役だがもちろん偽名だ、この町に来たのは一週間前、依頼の手紙を組織から受け取ってから引っ越してきた、人通りの多い場所、人目につかない路地…この一週間は町を調べていた、そろそろターゲットの身辺調査に取り掛かる所だ。  任務遂行の期限は最長でも約一年、俺達の組織は足が付くことをタブーとする、任務が終われば次のターゲットが住む街に拠点を移す、知り合いを作ることは殆ど無いが、ターゲットの関係者を調べ、そいつの懐に潜り込む、約一年の間仮初めの住人を演じるのだ…この町で。 平和な町のガキは嫌いだ、わ〜わ〜騒ぐし疑う事なんか何も無いって感じにキラキラした目で笑いやがる こいつはターゲットの関係者だ、なるほどちょっとやそっとの事じゃ信念を曲げないって面構えだが、俺の任務が完遂すればどんな風に驚くのか見ものだぜ 五年前、秘密の養成学校を首席で卒業してから任務を失敗した事がない、 もちろん秘密厳守だ、親兄弟、親しい友人、妻や子どもにもこの仕事をしている事は秘密にしなければならない、何処から秘密が漏れるかわからないからな。 何で秘密にしているのに養成学校に入れたかって?それは揺るぎない信念を持っているかだ、それとは分からないように、だけど世界中にヒントはあった、養成学校に入った時は少しだけ感動したな、俺と同じ信念を持つやつがこんなに居たなんて… ある時訓練中にこんな事があった、激しい吹雪の中、俺とトミーは…あぁトミーってのは俺のルームメイトだ、まぁ偽名だろうがな、あいつも中々ガッツのある奴だった、二人で行った雪山での訓練中に吹雪に出くわした、普通は避難出来る場所を探して救助を待つが、俺達の任務にヘルプは来ない、吹雪だろうが雪崩だろうが自力で切り抜けないといけない、が、辺り一面のホワイトアウトで前後左右どころか上下も分からない、そんな中奴は言った「先に山を降りたほうが今期の首席確定だな」そう言ってどんどん先に行こうとした「ふざけるなよ」元々首席とかそんなものには興味は無かったが、目の前で挑発されて受けて立たない奴はこの組織に向いてない、結局僅差で俺が勝った「あんな事言わなきゃ良かった…」ってへこんでたけど良いやつだった…。  俺達の組織は世界規模だ、と言っても一般の職業とは余りにもかけ離れた事をしている為に、俺達の存在自体を信じて無い奴も居る、だが俺達は実際に存在していて、依頼されたターゲットを探している。 Sol et Luna(ソル エト ルナ)ラテン語で太陽と月って意味だ、大本は太陽信仰だった、新しい太陽に生まれ変わる冬至の日に次世代を担う若者を祝福する、元はそんな儀式だったらしい、いつしか姿を変えその存在を信じる者のみに祝福を与えるようになった。  この町で約一年過ごしターゲットの関係者とも良好な関係を築いた、全ては任務遂行の為に…  深夜、遂に最後の任務に取り掛かる、寝ているターゲットの枕元に音もなく近づいた俺は、枕元にプレゼントを置いてそっとささやくのさ 「メリークリスマス」 了 頭の中で一気に出来上がったのはここまで 今回はここから推敲する事から始めたい
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