I Sie Tel

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 何かを五回鳴らしたりブツケたりって 『ア・イ・シ・テ・ル』のサインってのは周知の事実だとしても流石にビンタ五回だと 『ダ・イ・キ・ラ・イ』だと思うのは私だけでしょうか?  カーラジオから流れる懐かしい曲の数々、この曲が流行ってた時は学生だった、バイトの店内放送でよく流れてた曲、皆でカラオケBOXに行った時によく歌ってた曲、それぞれの曲にいろんな思い出が蘇り自然と鼻歌がでる。  ラブソングが流れた時、ふと妙な事を思いついた。  この曲を歌ってたのはリーゼントヘアとかタトゥーバリバリ入ってたような強面のバンドだったよな?結局窓ガラス割ったとか、車でブッ飛ばしたとか悪ガキ自慢の歌より、愛だの恋だの歌ってた方が売れるのね。  昔、カラオケで歌ったなぁ  まぁこのバンドのボーカル離婚してますけどね、その事実の後に永遠の愛を誓う〜とか流れて来ても失笑が漏れる、けどまぁいい歌ではある、作品と作者の人格は関係ないのだ。  永遠の愛なんて存在しない、なんて言う人は多いけど同じくらいの人が永遠の愛を信じてると私は思っている、問題は相手が同じ事を思っているかどうかだ。  私は結婚する前から一年三六五日三食カレーが良いとのたまわってきた、その為「今日の晩御飯何がいい?」という質問に対しては「カレー」と即答する一択しか無い、勿論カレーは大好きだ、それこそ一年三六五日三食カレーでいい、だが、偉いもんで毎晩違う献立を出してくる、こっちがカレーが良くても相手は違うのが食べたいだけだろうけど弁当も頑張って違う献立作ってくれるのはホントに頭が下がります。  妻のトリセツって言う本があって、『晩御飯何がいい?』という質問に対し『何でも良い』と言うのが駄目な答えだ、みたいな事が書いてあるらしいが(読んでないよ)じゃあビーフストロガノフって言ったら作ってるれるのかよ?的な話は出尽くしてるので言及はしないけども。  あれは、『キミが作った物ならなんでもいいよ』が全文であって、私を含む大多数の夫と言う存在は恥ずかしがって前文をカットするのです、だけどもし省略無しで言ったとしたら九割以上の妻という存在は夫にやましい事があるに違いないと思うであろう。  例えば『夫の本音』みたいな本があったとして、そんな事を書いていてくれたら世の中優しい世界になるかもしれないが、月曜日から金曜日までの五日間、弁当をレトルトカレーで良いよって言うのは『ア・イ・シ・テ・ル』のサインってバラされたら恥ずかしくてイヤだなぁ。    
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