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「巡回ついでに山菜見てくる。栗多めに採ってくるから、栗ごはんが食べたい! 七都子(なつこ)さんに伝えといて」 「へえへえ分かった……気ぃつけろー」 「行ってきます」  緩く手を振って見送る力也の家を後にして車に乗り込み、今度こそアマネは山へ向かった。  車から見る山の景色は、燃えるような赤色だった。夏の頃は爽やかな緑が生い茂っていた木々は、目の覚めるような紅葉にその色彩を変えている。  たまに混ざる黄色はイチョウで、その実も美味しいが何せ実の部分が強烈な臭いを発している。今日はそれに耐えられる袋や道具は持ってきていないので、次の機会にまとめて採ろうと考えて山道を着々と進む。  しばらく道なりに車を走らせると、やがて脇道に停車出来そうなスペースがある場所まで来た。  ブレーキを踏んでそこに車を停めると、アマネは帽子を被りリュックサックを背負ってから車を降りた。  ここから舗装されていない道を行くと、毎年欠かさない山菜狩りスポットが近いのだ。
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