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一面記事として大きく取り上げられているのは、夏に出征した一種の精鋭部隊が無事に凱旋したという内容だった。
北米の深刻な魔獣被害を解決する為に発ったヒーロー達は、その鮮やかな戦いぶりで見事に魔獣を殲滅し、華々しく出迎えられながら帰国したのだという。
魔獣関連でこういう大きな出来事があると、暫くはどのメディアを見ても同じような内容しか流れてこない。
テレビでは一種ヒーロー達のインタビューや対談、ドキュメンタリーといった特番が連日組まれ、雑誌も新聞も彼らの活躍を大きく取り上げる。
メディアの向こうにいる彼らは、同じヒーローである筈なのに全く違う人間であるかのように錯覚させられる程、世界が違うのだ。
二種であるアマネには逆立ちしても足を踏み入れられない場所。昔より落ち着いてきたとはいえ、やはり胸の奥に燻る劣等感はそう簡単に消えてくれるはずもない。
そんなアマネの心情を見透かす力也が気に食わなくて、スリッパの先で彼の向こう脛を蹴ってやる。僅かに呻く力也を無視して、アマネはリュックサックを背負いつつ立ち上がった。
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