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prologue
──次のニュースです。北米で大量発生した鳥型魔獣による被害は甚大で、今もなお現地の住人は魔獣への恐怖に苦しんでいます。
──大統領の要請を受け、当国では精鋭部隊を結成。現地に向けて本日出発する見込みです。
フライパンの中で鳴るじゅうじゅうというベーコンが焼かれていく音の隙間から、テレビのニュースが流れてくる。
いつも通りの日常、いつも通りの内容。科学や文明がどんなに発達していても、人間の[それ]に対する恐怖が失われることはない。
自分たちが暮らしている地がどんなに安全に見えていても、突然足元からがらりと嫌な音を立てて崩れていく。それが現実であり、揺るぎない真実だ。
こんがりと焼けたベーコンを皿に盛り、あらかじめ作っておいたスクランブルエッグを上からかける。
サラダもスープも用意はしてあるので、あとはトースターに突っ込んでいるパンが焼ければ完成だ。
窓の外は明るい。田舎の朝は夏場でも涼しく、ほんの少し窓を開けているだけでも薄着では寒いくらいだった。
しかし、あと一時間もすればすぐに暑くなってしまうので今更何かを羽織るのも億劫に思う。
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