ハイパーアキュムレーターの果て

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ハイパーアキュムレーターの果て

さらさらと流れ続けた先で、懐かしい匂いのする葉に出会った。葉を包み込む。後は、そのギザギザとした形、質感を写しとる作業だ。そして、擬態する。 流体金属の私の遠い先祖は、ヒョウタンゴケだ。金属と己の体を巧みに融合させる戦略で、ほとんどの生物が絶滅した今も生き延びている。 塵の混じった強風で、体が揺れる。上手く擬態できたのだろう。 この植物は、どうやらヘビノネゴザらしい。スムーズに検索結果が出て、安心する。まだ生きている。私たちのデータベースは、どこかに消えた少数の人間が、まだ維持しているのだ。 写したヘビノネゴザの情報をデータベースに付け加える。私たちの記憶を守ってくれている人間へのお礼だ。おそらく地球から遠く離れた場所にいる人間たちに、今の地球の状況を伝えようと、皆で決めたのだ。 作業が終わった。流体に戻り、さらさらと移動する。 一時停止。前方に仲間がいる。二足歩行で、全身が黒い毛で覆われた動物に擬態し、立ちすくんでいた。水晶のような目に、夕日が入り込んでキラキラと光っている。 私と同じことをしているのだろう。邪魔しないように、静かに、静かに後ろを通りすぎた。
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