醜いアヒルの子は変わりたくない。変われない。

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Before:暗い顔→after:怒り顔 嫌な事されても 先に顔をのぞかせる感情は、怒りじゃないの 私の場合はね。 理不尽な仕打ちに、悲しい感情だけが 心を支配するの 怒りはそんな私が欲しかったもの 「気持ち悪い妹を、友達に見られるのが恥ずかしい」 姉が私に言い放った言葉 無言で見つめるきょうだい達 ポーカフェイスを保つのがやっとだよ。 無理矢理明るい事を考えて 痙攣する横隔膜を鎮める 悲しいという感情を追い出す為に 姉ちゃん、 きっと私に死んでほしかったんだね 願いは叶えてやれない ごめんね、自己中な妹で。 でもね、 ずっとずっとずーっと 貴方のサンドバックで在り続けるのは無理ゲーでした 粘着質に絡む貴方を強い気持ちで振り切るよ 怒りがちゃんと作動してくれる新天地にいくために Before:櫛通らないボサボサ髪→after:染めたショートヘア 姉が私言う 「あんたのフケ頭がうつるから私のブラシ使わないで」 母の教えに沿って 3日に1度髪を洗っているだけだよ 母さん、その現場を見ても 我関せず、なんだね ショートの金髪にしてみたよ 自分で稼いだ金でね 染めてショートにすると手入れされますってかんじでしょ? 「生意気なイメージ、元に戻して」 「不快」 自分の髪で…自分の金でやった事だよ? 不快って、年一だけの顔合せ早々、クレーム攻撃? …他所様になら要求したかな? 家族だからいいじゃない?…って? もしかして… 帰省は御機嫌うかがい? 生意気って…仕送り増やせって意味? 気付いてあげると嬉しそうだね。 だけど、ごめんね。 きいてあげられない 私は精一杯「与えてる」 「もっともっと!」って要求は 搾取されてる感覚に陥るよ 「出口のないトンネル」ってよく聞く言葉 そのトンネルの中で うずくまる事しかできない そんな感覚 貴方達の血の絆は鉛のようです 私が絞りカスになっても、 一顧だに値ないんだろうね before:母のお下がり服→after:自分の稼ぎで買ったボーイッシュ服 母が唯一私にくれた物 着古したお下がり服 そんな母が子供達の前で言う 「男の子、女の子、二人づつ欲しかったの」 私は3番目の女の子 あの発言で私の家の中での立ち位置は決まったよ 「要らない子」 だから家に置き去りにしたんだね 皆でプール遊びをする時に。 「気づかなかったの。居ないって…家に帰ったら、あんたガン泣きでね…あはは」 無神経なところ 色々苦手でした 中でも笑っている貴方が一番苦手 同じぐらい、泳ぐのも苦手 笑う事も苦手になったよ 「どうして変わってしまったの?…染めないで!」 「どうして変わってしまったの?…普通の服がいいよ」 「どうしていつも怒っているの?…私が何かしたって言うの!?」 「「「どうして変わってしまったの!」」」 いやいやいや、この「after 」の姿こそ 本当の私だよ 今ならわかる 強制的に変身させられてたんだよ 「before」にね。 「after 」の私が醜く映るんだね どんなに醜いと言われても 私は「before 」には戻らない 変身を受け入れないなら 貴方達が見本を見せてよ どう変われば良かったのか 強情で、頑固で、反抗的な「醜い」私に とがっている自分を丸く出来ない そんな私の息苦しさを…… 1ミリだけでも 寄り添う気がなるならば。
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