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 あの日僕はこの世界から消えた。 降り出した大きな雪片を羽毛みたいだと笑う僕に『綿雪っていうんだよ、明日はきっと一面銀世界になるね』と圭一が教えてくれた。だから、だから――。 『あの場所で待ってるね』 僕が言ったんだ。ここから見える雪景色を圭一と見たくて。 「ごめん、圭一、約束守れなくてごめん」 僕の想いは届かず、降り出した雪が圭一を白く染めてゆく。 僕のせいでこの景色が圭一にとって辛いものになるなんて、そんなの悲しすぎる。 「お願い、やまないで……」 圭一の哀しみも辛さもこの真っ白な綿雪で深く、深くうめて……そう願わずにはいられなかった。
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