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その声を遮って、史織は時子の首に手を回した。
そして、耳元で囁く。
「とっこちゃん、寂しいよ」
ゾッとした。その言葉は、いつもの甘える史織の言葉だった。
しかしその声は、いつもより大人びた。そう、艶やかな声だった。
当たる吐息に、思わずぽーっとしてしまった。
「ちょっ……史織ちゃん!」
小声で距離をとる時子。腰は完全に引けていた。
史織は、はにかんだ笑いをした。
でもどこかコケティッシュに感じてしまう。
へたりこむ時子に、史織は言った。
「時子ちゃん、一緒にいよ?」
ちっとも怖がって無い……のかな? 時子は苦笑いした。
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