静かな時間よ、そのままで

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隆吉は逃げるように、東京に就職をした。 上京したら、真由香からは解放される。新しい彼女を作って人生をやり直すと決めて、実家には帰らなかった。実家とも縁を切った。親戚が亡くなっても葬儀に顔も出さなかった。 隆吉の頭の中は仕事よりも、新しい彼女を見つけることでいっぱいになっていた。が、現実は甘くなかった。隆吉の給料では自分が生活するだけで精一杯だった。婚活パーティーに顔を出せる身分でもなかった。仕事の営業成績も決して良くはなかった。 就職して4年、26歳になった頃。ストレスがたまる一方で、つい魔が差して出会い系サイトで中学生相手に食事に行った。中学生の少女に会社名義の車を使い、車の中で猥褻行為をした。 数ヶ月後に隆吉は児童ポルノ、猥褻行為で逮捕された。
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