静かな時間よ、そのままで

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田舎のレストランで前科があることをすっかり忘れて暮らしていた。かおりは前科持ちでも承知で隆吉と内縁関係を結んでいた。かおりも彼氏に別の女ができたとわかったら、ナイフを向けてしまったから、犯罪には事情があると解釈していた。かおりも同じレストランで接客のアルバイトをしながら隆吉と穏やかな生活を送っていた。 ある日、穏やかなマスターが腰痛が酷くなり、いずれは2人に店を譲ると言ってくれた。夢溢れる幸せな日々も続かなかった。 一番会いたくない女が旅行に来たのだ。真由香だった。11歳年の離れたベンチャー企業の社長と結婚していた。大学時代よりも優雅な生活を送っていた。
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