静かな時間よ、そのままで

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小さな海辺の町で慎みながら暮らしている男がいた。 河村隆吉、35歳。 彼の経緯は、幼少の頃から普通に楽しく過ごしていた。クラスメートとも仲良く、和気あいあいと学校生活も送っていた。唯一、苦労していることは家庭が決して裕福ではなかった。妹とは仲良くもなく悪くもなかった。ただ、自由気ままに過ごしていた。高校に入学すると彼女もできた。彼はモテていた。幼なじみの初恋とも付き合ったこともあった。 誰が見ても羨ましいと思ったであろう。 大学に入学すると、ある女の子と出会った。今までみたことのないわがままな女の子だった。彼女と出会わなかったら、今はこんなに小さくなって生活することはなかったはずだ。
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