だいじょうぶさん

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だいじょうぶさん

わたしの生まれた町は 昔ながらの東海道沿いにあるせいか 家々の土地が うなぎの寝床のように 奥に長い 東海道沿いにある家と言っても 当たり前だけど山側と海側とに 家があり 山側は 裏の大通りまで土地が繋がってる 家もあったりするのよ ある意味便利なのかな? だからかな 海側の 友達の家に遊びに行くと 土間が中間まで続いてて 奥に何部屋かあって ずんずんと 奥の部屋まで 入っていきながら 「○○ちゃん、いる~?」って 入ってく 今じゃ考えられないよね(笑) また更に 奥の部屋を突き抜けると 線路にぶつかり 今では禁止されてる 線路を渡って 海に行ったりするのは 日常茶飯事だったのよ そんな 線路沿いだから 人身事故も多くて 少しでも減らそうと 「だいじょうぶさん」って お地蔵様かな たてて奉ってたさ 寒くなりはじめの 今頃だと思う お寺のお坊さんが お経を唱えに来てくれ 近所の人はそこに集まるんだけど 子供らにはお菓子を 大人にはお赤飯のおむすびを 分けられたんだ その時の お赤飯のおむすびが美味しくて お昼まで待ちきれず 食べちゃって よく怒られたわ💦 今はもう 集まることもなく やってるのかどうかわからないけど 昔は みんな信心深かったのかもね
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