同じものを見なければ

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「なんだ。アダルト系のサイトを見ちゃったのかと思ったよ。模型ならセーフサーチがかかっていてもヒットしそうだね」 「良かった。不公平な社会見学にならなくて」  森緒くんが納得してくれたみたいで、私もホッとした。 「まあでも僕は元々知らないわけじゃないから、笹野さんが僕に、『ほら、これが私の生殖器』って見せつけてくるのを頭に浮かべておくよ」  にやりと笑いながら森緒くんは言う。 「待って! 私、そんなこと言わない」 「じゃあ、恥ずかしがりながら、見て! とか言ってくれてもいいよ。ああでも、笹野さんなら真顔だろうな。それはそれでありなような」  なぜだか腕組みしながら、森緒くんは満足げに頷いている。 「本当の私は見せたりもしないから。……どこのことかよくわかっていないけど。まさか今見せていないよね?」 「ないない。でも、それを言うなら僕もしないからね。とりあえず、僕も社会見学のバスに乗ったまま、今日の午後の授業を受けるよ。正直授業に集中できるか心配だけど。じゃ、また放課後に」  そう言うと、森緒くんは爽やかな顔に戻って、教室を出て行ってしまった。    
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