65人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだ。アダルト系のサイトを見ちゃったのかと思ったよ。模型ならセーフサーチがかかっていてもヒットしそうだね」
「良かった。不公平な社会見学にならなくて」
森緒くんが納得してくれたみたいで、私もホッとした。
「まあでも僕は元々知らないわけじゃないから、笹野さんが僕に、『ほら、これが私の生殖器』って見せつけてくるのを頭に浮かべておくよ」
にやりと笑いながら森緒くんは言う。
「待って! 私、そんなこと言わない」
「じゃあ、恥ずかしがりながら、見て! とか言ってくれてもいいよ。ああでも、笹野さんなら真顔だろうな。それはそれでありなような」
なぜだか腕組みしながら、森緒くんは満足げに頷いている。
「本当の私は見せたりもしないから。……どこのことかよくわかっていないけど。まさか今見せていないよね?」
「ないない。でも、それを言うなら僕もしないからね。とりあえず、僕も社会見学のバスに乗ったまま、今日の午後の授業を受けるよ。正直授業に集中できるか心配だけど。じゃ、また放課後に」
そう言うと、森緒くんは爽やかな顔に戻って、教室を出て行ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!