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もう少しだけ、音楽を聴いていたい。季節外れの曲だから。
もう少しだけ、外を眺めていたい。
そう彼女は、言った。
言った?あの時、囁やいた。そう心の中の悪魔がささいた。
僕は、彼女を置いてきぼりにした。白い部屋の中に。
白い服に囲まれた人たちのなかに。
いけないと思いもしなかった。振り返ることもなかった。
もう少しだけ、もう少しだけいる。
この鳶色のこの街に。
季節外れの音楽が、僕に効いている。彼女の好きなクリスマスの曲。
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