借金

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「腎臓を一つ頂きます」 予想外の条件に、 「えっ? 腎臓? 腎臓って…… 」 すぐには理解出来ずに戸惑っていると、 「二つあるうちの一つを貰うだけです。 昔から言うじゃありませんか、腎臓と親知らずは無くてもいいって」 聞いた事のないフレーズを口にして黒崎は微笑む。 「いや…… でも…… 十万円で内臓が無くなるってのは…… 」 霧子が渋っていると、またサングラスの奥の目が鋭くなり、 「十万円じゃあありませんよ」 はだけた白シャツの胸に掛かった金のネックレスが光る。 「えっ!? でも…… 」 黒崎は気もを遮り、 「確かに貸しつけるのは十万円。 ですが先程言った通り、確率の良いギャンブルがあります。 三日でその十万円が何十倍にもなるかもしれません」 腎臓を渡せば手に入るのは何百万だと暗に告げる。 「それってどんな…… 」 霧子は喉が鳴るのを必死に抑えながら尋ねた。
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