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黒崎の言った通りだった。
多少の上げ下げはあるものの、元手の十万円はどんどん増えていく。
黒服の言葉を思い出す。
『色んなゲームを遊ぶ客の方がカモになりやすいと判断されます。
そう判断されれば、三日間は間違いなく勝たせてくれる筈です。
ディーラーの腕次第のバカラとポーカー、この二つを交互に遊ぶのが勝負的にも客行動としても良いんじゃないかと思います』
「あっちでも遊ばせてもらうわね」
勝負の流れを止めない程度に、
「ここでも勝っちゃおうかなー 」
隣にあるポーカーの席で軽口を叩く。
ある程度の儲けを出すと、またバカラへと移動する。
これを三日続けると、十万円だったお金は百万円の束が四つになっていた。
四日目以降、これ以上に回収されるのかと思うとゾッとする。
返済額は出来た。
時刻は午前零時、黒崎が取り立てに来るのは三時間後。
返済したところで黒崎は自分の元から去ってくれるのだろうか?
それに、この四百万円があれば人生やり直せるのではないか?
霧子は闇医師に渡されたメモを開いて思考する。
「人生一か八かよね」
賭けに出る、そう決意して最後に書かれた番号をプッシュした。
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