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「千代ちゃんおっかえりー♪お祭りどうだった?楽しかった?」
物思いにふける千代に、ミヤが強めに抱き着いた。
「ミヤさん、ただいま。お祭り楽しかったよ!俊さんも元気いっぱい」
「良かったね。にしても遅いから心配したよ?もう帰ってこないんじゃないかってね」
「それは無理でしょ。だってここは」
2人は遥か彼方、俊が暮らす場所よりずっとずっと高い所…もはや別世界にいるのだから。
ここからなら俊の様子もよく分かるし、彗星のチリが地球と衝突して散っていく様子もよく見えた。
「お祭り会場の神社でお別れだと思ったけど、そこで女の人に会ってね。何故かもう少しだけ俊さんといていいんだって分かって。それから高原に戻って星空観賞して帰ってきた」
「へえ。粋な女性もいたもんだわね」
仲良く話していたが、そこで千代は強烈な睡魔に襲われる。
「あれ、なんか久しぶりに凄く眠いなぁ。ミヤさん、私少し寝るね」
「わかった。心が満たされて何よりだよ」
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