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プロローグ
「千代ちゃーん!流星群、明日がピークみたいだよ!」
外出用にとワンピースをせっせと選んでいた千代に、ミヤが楽しそうに声をかけてきた。
「そうなんだ!きっとキレイなんだろうねぇ」
「しかも今回のはすごいの♪確か100年に一度見られるか見られないかのレア流星群なんだ!願い事したらたくさん叶っちゃうかも」
「流星群って、いつも見れないの?」
「頻繁に見れるのもあるけど、今回みたいに大放出は珍しいのよ」
そう言って指折り願い事を考えるミヤを微笑ましく見る千代だが、願いは既に決まっていた。
「…でね、美味しいものたくさん食べたいし、いろんな模様の猫にも会いたいなぁ。カッコイイ彼氏とかはアリ!?あ、千代ちゃんはやっぱり俊さんのことかな?」
ミヤも分かっていたようで、笑顔を向けて千代に聞いてくる。
千代はその質問に、口を噤んで笑って頷いただけだった。
そんな様子の千代を気にかけてなのか、ミヤはいつも以上に明るく自分の願望を話し続けた。
聞きながら千代は密かに思う。
(そうだよ。私の願い事は一つだけ。俊さんに会いたいってことだけなんだ!)
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