0人が本棚に入れています
本棚に追加
現世で、『俺』は【岸 まもり】という女性に生まれた。
前世の記憶を取り戻したのは、中学生の時。
物心ついたときから、心の何処かに物足りなさを感じ、何かを探していた。
記憶が戻った時に、納得して、涙した。
まもりとして、親に無理をいって剣道を始めさせてもらった事、『姫』と同じプラチナブロンドの長い髪の女性に憧れではなく、惹かれた事も全て『俺』の想いのせいだと…。
「まーもーりー、今度の日曜日買い物付き合ってよ!」
小学からの腐れ縁の友人が、甘えた声をだす。
「何処行くの?来週は、試合だから午後からしか付き合えないよ?」
「えー、また?この剣道バカ!少しは女子高生を楽しまなきゃ!」
「十分女子高生してるよ?」
「なんかさ、中学くらいからイケメン度合いが急上昇して、誰かを必死に探してる感じで見てて切ないよ?」
「よく見てるね、雪のそんな所尊敬する。
でも、大丈夫だよ?毎日をちゃんと生きてる。心配ありがと」
自分より小さい友人をギュット抱き締める。
「ぎゃーっ、どうせなら男の子がいいよー!ナイト様って呼ばれる癖にあたしより、胸デカイんだから、苦しいって!」
「ははっ、良いではないか、良いではないかっ」
「おやじっぽいよー」
そう、ちゃんと今の自分を楽しんではいる。
「で、どこ行くの?」
「新しく出来たカフェ!パフェがすっごく人気なんだって!」
最初のコメントを投稿しよう!