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あなたにとって僕はただの生徒で、それ以外の何者でもない。
受験が終わればもう関わることはない。
明日、合格の報告と共に、あなたに何を伝えよう。
好きでした。
そんな言葉は口が裂けても言えない。
けれど、あなたのおかげで僕は自分の進むべき道を見つけられた。
あなたのおかげでつらい勉強も乗り越えることができた。
それくらいは伝えてもいいだろうか。
はらりと横髪が彼女の横顔を隠す。
彼女が髪を耳にかける。
左手薬指を飾る小さな石がきらりと光った。
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