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私たちは、二人でひとつだった。文字通り、私とあなたで「わたし」を形成していた。
「二重人格って言うらしいよ」とあなたが教えてくれたのはいつだったっけ。
あなたに言われてから私も本なんかで色々と二重人格について調べてみたけど、よく分からなかったな。こうやって別の人格とやり取りが出来るって、滅多にないパターンらしいね。
「まあ、どうでもいいじゃん」
自分たちのことに頭を悩ませる私に、あなたが言ってくれた言葉。そういうあっけらかんとした優しさも、すごくすごく好きだった。
高校受験の時も、一年前の大学受験の時も、ストレスと不安で倒れそうになっていた私を、いつもあなたが支えてくれた。
それだけじゃないね。ずっと昔からそうだった。
お友達と喧嘩をしてしまった時。音楽の授業のテストが嫌すぎてお腹が痛くなってしまった時。こっそりトイレで隠れて泣く私を、あなたはいつもその優しい言葉で励ましてくれた。
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