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とんとん拍子、過ぎちゃった?
暁斗さんの会社の前に辿り着く。大きなビルを前にして足が止まる。警備員を目にして、思わずビルを背に身を隠す様にしてしまう。
今、どこにいますか――?
聞いたところでビルの中を確認できるわけじゃない。これからどうしよう。
「あ、暁斗さん……!」
しばらく迷っていたら、スーツ姿のままの暁斗さんがビル入口から数人と一緒に出て来る姿を見つけた。
綺麗な女性。一緒に出て来たのだから、同僚の方かな。声をかけるわけにもいかず、暁斗さん達を見つめていたら、女性は駅の方向へ歩き出し、暁斗さんはスラリと背の高い男性と共に進行方向を変える。
え、ちょっと待って。
「あの手はなに……!?」
遠目にも綺麗な顔立ちだとわかる男性の片手が暁斗さんの肩を抱く。振り払うわけでもなく、二人で肩を並べて歩いて行ってしまう。
ちらっと見えた暁斗さんの横顔は笑顔で、嬉しそうにも見えた。
「まさか、暁斗さん……?」
女性じゃなくて男性? ないないない、だって私達、結婚までしたのよ。
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