ALWAYS ~疑惑~

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 やっぱりどきどきして止まないのに。暁斗さんは私の頭を撫でながらいつの間にかぐっすり寝入ってしまう。  伏せられた長いまつ毛を見ながら涙が溢れた。  暁斗さんにふれたい――  翌日、真奈に連絡を入れて、とうとう私は真実を知る為に行動を起こした。 「来た、友梨、行くわよ」 前日と同じ様に暁斗さんの会社の前で彼を待つ。 「昨日と同じ男性?」 「ん……」 やっぱり他の同僚達とは別れて、暁斗さんとスラリ背の高い男性が二人きり歩き出す。 「何処まで行くのかしら」 真奈の後ろに付いて暁斗さんの後を追う。二人は繁華街まで歩くと、小さなビルの地下に降りて行く。 「カクテルバー?」 地下にはバーがある様だ。階段入口に置かれた看板を見て、私達は顔を見合わせた。 「どうする? 行ってみる?」 真奈はじっと私の顔を見つめた。 「……行くわ」 だって新婚なのよ。暁斗さんが好きなの。  恐る恐る階段を降りて行く。重たい扉を開いて、そっと真奈が中を覗き込む。 「いた、カウンターの奥、テーブル席みたい」 真奈に変わり、扉の隙間から中を覗き込む。
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