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私は、なぜ、5分、10分の繰り返しが、何時間にも増えるのか、よどみなく語った。
私が寝る時、寝室で重力異常が発生し、時間が異常に遅くなるのだと。
「その理屈なら、こっちも時間が遅くなるはずだよ」
同じ部屋に寝る同居人が反論する。
「ううん。重力はね、頭のてっぺんと、つま先でも違うんだって。すごくない? 同じ人間でも時間の流れが違うって」
腕くみして同居人が考えこんでいる。
ナントカ研究所の広報なんだから、私の言ってることは、わかるはずだ。
と、向かいの人は頭を上げた。
「異常重力が発生しているなら、下の階の人も同じ現象が発生しているはずだよね。だって重力は地球の中心から発生しているんだから」
言われてみるとその通りだ。
私がうなずこうとすると、同居人が付け加えた。
「でも下の2階の人は、毎朝、忙しそうだよ。私はゴミ出しをしているからよく会うんだ」
「うるさい!」
自分がこんなに大きな声が出せるとは思わなかった。
「ゴミ出しぐらいしろって言うんだろ! わかってるよ! 私だって、もう少し、もう少し時間があればできるんだ!」
向かいの人は無言で席を立ち、自分の部屋に籠ってしまった。
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