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私は先日、マスカラとビューラーを買った。大学生になって基本の化粧品を買いそろえたけれど、その二つだけは持っていなかったのだ。
買うきっかけとなったのは化粧を教えてくれた友人だった。化粧品を持っているのにもかかわらず、使いこなせないでいる私に彼女は気前よく教えてくれた。
「綺麗なアイシャドウだね。マスカラとビューラーもやってみる?」
彼女はそう言って自分のものを貸してくれた。ビューラーをそっと瞼にあてて恐る恐るまつげをあげる。震える手でマスカラもした。緊張しつつすべてをこなした私に彼女は笑って「いい感じ」と言ってくれた。私は彼女を本当に素敵な女の子だと思った。
もう一度鏡で自分を見ると、確かにいつもと違う自分がいた。美人ではないし、可愛くもないけれど私はとても嬉しかった。髪の毛も整えてくれた友人に心からお礼が言えた。
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